3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により
亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、
被災された皆さま、ご家族、ならびにご関係者の皆さまに、
心からお見舞いを申し上げます。
この先大変なご苦労があるものと存じますが、
一日も早く復旧されますよう切にお祈り申しあげます。
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これを書くのに3週間かかりました。
社会に多少なりとも貢献しなけりゃいけない医療従事者として、
この一言を書かないのは非常識なんだろうけど、
素直に書けませんでした。
いろんな事を考えてしまいました。
まず、誰のためにこんな事を書くのか。
間違っても東日本の震災に見舞われた方々は、
関西の美容外科医のブログなんて、
このタイミングで見る事は決してあり得ない。
本当に伝えたい相手には 届くはずの無いメッセージです。
わかってて何のために書くの?
誰に見せたいの?
地震にかこつけて自分のイメージを上げたいだけじゃないの?
何だか偽善者みたいに思えてきてしょうがないです。
今の被災者の方々にとって必要なのは、
言葉なんかじゃなくて
水、食料、毛布、雨風をしのぐ家、電気、水道、ガス、電話、
そして黙って手を貸してくれる人、
黙ってお金を送る人です。
「がんばって下さい。」
「ありがとうございます。はい、がんばります。」
そんな受け答えを期待(強要?)するのは悪趣味じゃないかな?
ボクも16年前の地震を経験してます。
「何がガンバレじゃい!大きなお世話じゃ。」
「お前らに言われんでも、やらなあかん事はやるわい!」
雪の中、実家の屋根瓦を積み直した後、
ガクガク震えながら見てたテレビに向かって言ってました。
ブラウン管の中できれいな服を着て、
無邪気に「がんばって」って言ってる人たちに、
無性に腹が立っていました。
何やかんやで、精神的にも歪んでたんでしょうけど。
何で自分で瓦修理なんかしてたかって?
地震の後何日か経つと、いろんな人間が被災地に入ってきます。
もちろん、純粋に人助けのためにきてくれた人も多かったです。
でも、そうじゃないのも色々と。
拡声器付きのトラックで乗り込んできて、
ペットボトルの水を1本1,000円で売る連中。
「瓦修理、今すぐしないと家がダメになります。」
料金を聞くと700万円とか900万円とか...
何で瓦修理の業者がこんなに集まってきたのかは未だに良くわかりません。
名古屋ナンバーや熊本ナンバー、
とにかくひっきりなしにチャイムを鳴らしてくれました。
良い稼ぎになると思ったんだろうね。
ボッたくられてたまるか!
自分でやるわい!
ってなわけで、崩れてしまった瓦を
自分で土を練ってもう一度積み直したわけです。
地下足袋を履いてやったんですが、
雪やら雨やらで、ツルツルすべって怖かったし、
とにかく寒かったです。
他人に言われなくても、がんばらなければならない時はみんながんばります。
そうしないと生きて行けないから。
「ありがとうございます。はい、がんばります。」
無理してそう答えるのも体力を消費するはずです。
「がんばって」はやめようや。
でも、
『困っている人につけ込むような連中に 食い物にされないように。』
それだけは本気で願っています。
娘の絵。
宮崎作品です。