京都で開催された第33回日本美容外科学会総会に出席してきました。

この日本美容外科学会という学会には、全く同じ名前のもう一つの学会があって、
とってもややこしいのですが、ホントにややこしいので別の機会に詳しく書きますが、
ボクが所属しているのは、日本形成外科学会の専門医じゃないと正会員になれない方です。

学会発表でそうそうたる名医と呼ばれる先生方の発表(症例写真)を見せていただくと、
やっぱりすごく刺激を受けます。
名医って誰の事?となるでしょうけど、これまた機会があればご紹介したいと思います。
決してテレビに出たりコマーシャルをしたり、雑誌に広告を載せたりはしない方々ですので、
一般的には知名度は低いでしょう。
逆に言えば、マスコミを通じて顔を知られているような美容外科医に、
まともな医者はいないと言って良いと思います。

学会に自分の症例を発表できる医者は、尊敬に値すると思います。
形成外科医・美容外科医は汚い(結果の良くない)症例写真は絶対に発表しません。
見ている者に「むむ!」と言わせる、すばらしい写真しか学会に持ってきません。
もちろん、全ての手術でそんな奇跡のような結果を出しているわけではないでしょう。
『何か今イチだな』という手術もあるのでしょう。
それでも、最高の結果を出せた症例の写真だとしても、
同業者をうならせるような結果を提示できるという事はすばらしいと思います。

新しい治療機器や手術方法の発表もありましたが、
実際に自分で買ってまで使ってみたいと思う機械も、
自分の患者を危険にさらしてまでやってみたい新しい手術方法も、
残念ながら見つかりませんでした。

そして、いつもながら、『吸収されないヒアルロン酸』とやらによる
トラブルの症例発表が何題かありました。
発表している医者が『吸収されないヒアルロン酸』を使った訳ではありません。
どこか別の訳のわからない美容外科医に注射されて、
トラブル(肉芽腫が多いです)が起こったけれども、
元の医者には取り合ってもらえず、再診もしてもらえず、
どうしようも無くなってまともな形成外科・美容外科を頼って受診する、
全てそういうパターンです。

『吸収されないヒアルロン酸』、具体的な商品名は今回は書きませんが、
それらは全て形成外科学会や美容外科学会では使用を認めないという事になっています。
もし使ったらどういった罰則があるのかは不明(たぶん罰則なんて無いのでしょう)ですが、
もしそんな訳のわからないヒアルロン酸を使ってるってばれたら、
たぶんまともな形成外科医や美容外科医からは相手にされなくなるでしょう。

いい加減、『吸収されないヒアルロン酸』はヤバいって一般人も気がつきゃ良いのにね。